「暑さ寒さも彼岸まで」
と申しますが、まだまだ暑い夏の日が続きます。夏は暑いものですから、「暑い!暑い!」と嘆くよりも、「この暑さがあるから、秋の風の涼しさも、冬の霜の冷たさも感じることができる」…と穏やかな気持ちで過ごしたいものです。お盆が過ぎて、岩戸寺の施餓鬼が終わったころには少しずつでも、秋の気配が感じられてくることをお祈りします。

テレビを見ておりますと、お盆休みと言えば「海外旅行」「家族旅行」という人もおられるようですが、お盆は「ご先祖様への感謝を表す行事」であることを心に留めておきたいものです。さらには、誰からも供養されていない無縁の霊に対しても供養の気持ちを忘れないということが大切です。その昔、「世界は一家、人類は兄弟」というテレビコマーシャルの文句がありましたが、縁がないように見えても、地球上の生き物は細菌、植物、爬虫類、哺乳類にいたるまで、源をたどれば同じところから生じていると言われます。ひとつの「いのち」から生まれて、またその「いのち」に帰っていく過程を、昔のひとは「輪廻転生」という考えで表しました。これは、「自分が前世で犬だった」とか「来世ではハエになるだろう」とかいうことではなくて、「今ある一つ一つの生命はどこかで繋がっている」「自分ひとりだけで存在している生命など一つもない」と解釈したいと思います。
棚経でお参りするたびに、「うちのお供えはこれでよいのでしょうか?」と尋ねられる方に出会います。それぞれの御宅でお祖父さん、お祖母さんから代々伝えられたお供えの仕方は異なりますので、「それで結構です」と答えています。有縁無縁の仏さま、ご先祖様を大切にする気持ちに、こうでなければいけないという決まりはないはずですから…。
今年も、どうぞ、仏壇・お墓で手を合わせて、皆さんの「ありがとう」をご先祖様にお伝えください。

御礼
一、曼荼羅額  前川 富佐雄 様
大師堂の「石 大師さん」「木 大師さん」の背面の壁に、曼荼羅の額をいただきましたので掲げさせていただいております。先代住職と親しくしていただいている、前川 富佐雄様よりいただきました。金色の壁に、金色の縁が合っています。一度、お参りしてご覧になってください。

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